EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者を対象としたリアルワールド研究RealGiDo1において、アファチニブは用量調節により治療効果を維持したまま副作用の発現頻度と重症度を軽減
- RealGiDo研究の結果では、一次治療としての治療期間および無増悪期間の中央値は、それぞれ18.7ヵ月および20.8ヵ月であり、アファチニブの用量調節の影響は示されなかった
- リアルワールド研究で観察されたアファチニブの安全性プロファイルは、これまでの臨床試験結果と一致し新たな安全性シグナルは確認されなかった
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が5月31日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
2018年5月31日 ドイツ/インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイムは、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とし、アファチニブの用量調節による安全性と有効性を検討するリアルワールド研究の結果を発表しました。この研究結果により、アファチニブは用量調節により、治療効果を維持したまま副作用の発現頻度と重症度を軽減することが示されました。米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、2018年度の年次総会に先立ち、これらの結果をオンラインで発表しました。(URL: http://abstracts.asco.org/214/AbstView_214_218141.html)
本試験の研究調整医師であるニューヨーク州/ブロンクスのモンテフィオーリ・アインシュタインがんセンター 胸部および頭頸部がん 臨床医学教授Balazs Halmos氏(M.D.)は、次のように述べています。「臨床試験では、アファチニブは、忍容性を指標とした用量調節によって、有効性を損ねることなく既知の医薬品副作用を管理できる可能性がすでに示されています。本研究を通して私達は、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者さんの実臨床におけるアファチニブの用量調節の影響についての理解を深めます。」
RealGiDo研究には13ヵ国から228例が登録され、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)未投与のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者の一次治療におけるアファチニブの用量調節の影響を評価しました。推奨される開始用量40mgを変更後も有効性に影響はありませんでした。患者の約1/3は、30mg以下で治療を開始しました。治療期間および無増悪期間の中央値は、それぞれ18.7ヵ月および20.8ヵ月でした。全般的な有害事象の発現状況は、30mg以下から開始した群と40mgから開始した群で同様でした。さらに、新たな安全性シグナルは認められず、グレード3の有害事象および重篤な有害事象の発現は、それぞれ25%および5%でした。
ベーリンガーインゲルハイム臨床開発の固形腫瘍部門のグローバルヘッドであるDr.Victoria Zazulinaは、次のように述べています。「アファチニブの実臨床下における使用状況を研究したRealGiDoの結果は、進行肺がん患者さんのそれぞれのニーズに応える医師に最新の情報を提供します。がん治療薬の臨床試験環境外での使用を理解する上で、実臨床から得られるデータの重要性が認識され始めています。」
アファチニブについて
アファチニブは多くの国や地域で承認されており、特定のEGFR遺伝子変異を有するNSCLC患者の治療薬として、日本ではジオトリフ®、EU、中国、台湾、カナダではGiotrif®、米国ではGilotrif®、インドではXovoltib®の製品名で販売されています。EU、米国などの市場では、プラチナベースの化学療法中/後に病勢が進行した進行肺扁平上皮がんの治療薬としても承認されています。アファチニブは現在、その他の国々についても規制当局へ承認申請中です。承認条件は国によって異なりますので、各国で承認された効能・効果、用法・用量の情報をご参照ください。なお、日本でのジオトリフ®の承認効能・効果は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌です。
ベーリンガーインゲルハイムについて
患者さんの健康とQOL(生活の質)を改善することは、研究開発主導型の製薬企業ベーリンガーインゲルハイムの使命です。私たちは治療選択肢が存在せず、未だ十分な治療法が確立していない疾患に焦点を合わせ、患者さんが健やかな生活を確保できる革新的な治療法の開発に専念しています。アニマルヘルスでは、先進的な病気の予防と早期発見・早期治療に注力しています。
ベーリンガーインゲルハイムは世界におけるトップ20製薬企業の1つで、1885年の設立以来、株式を公開しない企業形態を維持しています。約50,000人の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品の3つの事業分野において、革新的な製品開発を通した価値の創出に日々取り組んでいます。2017年度、ベーリンガーインゲルハイムは約181億ユーロの売上高を達成しました。研究開発費は30億ユーロを超え、売上高の17.0%に相当します。
株式を公開しない企業形態の特色を生かし、ベーリンガーインゲルハイムは世代を超え、短期的な利益ではなく長期的な成功を重視しています。したがって、私たちは、研究活動において、自社のリソースに加えて、オープンイノベーションと戦略的アライアンスを重視し持続的な成長を目指しています。ベーリンガーインゲルハイムは、私たちが関連するあらゆるリソースを尊重し、人類と環境に対する責任を果たしていきます。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
References
- Halmos B et al. Real-world dose adjustment study of first-line afatinib in pts with EGFR mutation-positive (EGFRm+) advanced NSCLC. Abstract accepted 2018 American Society of Clinical Oncology June 1–5, 2018, Chicago, Illinois.