EMPA-REG OUTCOME®試験のアジア人サブグループ解析結果論文がCirculation Journal Award Clinical Investigation優秀賞を受賞
報道関係者向け情報
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日本におけるジャディアンス®錠の効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントのリスク減少に関連する効能・効果の適応は取得しておりません。
2018年3月23日より大阪にて開催された第82回日本循環器学会学術集会において、EMPA-REG OUTCOME®試験のアジア人サブグループ解析結果に関する論文がCirculation Journal Award Clinical Investigation優秀賞を受賞しました。本論文の責任著者である川崎医科大学 総合内科学特任教授 加来浩平先生は、次のようにコメントしています。「今後の日本における心血管イベントを考慮した糖尿病治療を考える上で、本論文が重要な知見であることが評価され、今回の受賞に繋がったと考えます。」
ジャディアンス®は、事前に規定された心血管アウトカムに特化した試験であるEMPA-REG OUTCOME®試験において、糖尿病治療薬として初めて、複合心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)ならびに全死亡を有意に減少させた唯一のSGLT2阻害薬です1。
2型糖尿病の有病率、特に心血管イベントリスクには人種差があることが報告されているため、さらなる解析として、EMPA-REG OUTCOME®試験に参加したアジア人2型糖尿病患者1,517人(全体集団の22%)における心血管アウトカムの解析が行われました2。ジャディアンス®の心血管アウトカムならびに全死亡のリスクの減少は、アジア人においても認められ、EMPA-REG OUTCOME®試験全体集団の結果と一貫していました3。また、東アジア地域(日本、香港、台湾、韓国)から参加した587人の解析においても、ジャディアンス®による心血管アウトカムの結果は、全体集団の結果と一貫していました3。これらの結果に関する論文は2017年2月にCirculation Journal誌に掲載されています。
以上
【参考情報】
糖尿病と心血管疾患について
糖尿病患者は全世界で4億1,500万人以上、そのうち1億9,300万人は未診断であると推定されています4。また、糖尿病患者は2040年までに6億4,200万人に増加すると予測されています3。中でも日本が位置するアジア・太平洋地域の患者数の増加は深刻で、2014年は1億5300万人と全世界の約1/3の糖尿病患者がこの地域に集中しています。
2型糖尿病は最も頻度の高い病型であり、高所得国では糖尿病症例の最大91%を占めています4。糖尿病は、身体がインスリンというホルモンを適切に産生したり、使用したりできない場合に起こる慢性疾患です4。糖尿病は高血糖、高血圧、および肥満などを伴うため、心血管疾患は糖尿病の主要な合併症であるとともに、糖尿病と関連する主要な死亡原因です5,6。糖尿病患者は、糖尿病に罹患していない人と比較して、心血管疾患を発生するリスクは2~4倍です4。2015年には糖尿病によって全世界で500万人が死亡し、心血管疾患が主要な原因でした4,5。全世界の2型糖尿病患者の死亡のうち約50%は心血管疾患が原因です7,8。
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーの提携について
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリー・アンド・カンパニーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者ケアへのコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
研究開発主導型の製薬企業ベーリンガーインゲルハイムは、130年以上にわたり、医療用医薬品と動物用医薬品において革新的な医薬品を提供してきました。ベーリンガーインゲルハイムは世界におけるトップ20製薬企業の1つで、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。約50,000人の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品の受託製造の3つの事業分野において、革新的な製品開発を通した価値の創出に日々取り組んでいます。2016年度、ベーリンガーインゲルハイムは159億ユーロ(1兆9,133億円)の売上高を達成しました。30億ユーロを超える研究開発費は売上の19.6%に相当します。
ベーリンガーインゲルハイムにとって社会的責任を負うのは当然のことです。「Making More Health(人々のより良い健康の実現を目指して)」などの社会的なプロジェクトへの関与はそのためです。ベーリンガーインゲルハイムは社員の多様性を促し、社員の様々な経験やスキルの活用を積極的に進めています。また、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて全力を尽くしています。
なお、ベーリンガーインゲルハイムはフランスに本社を置くサノフィ社と戦略的事業交換を行い、2017年1月のクロージングを以て、ベーリンガーインゲルハイムのコンシューマーヘルスケア(CHC)事業をサノフィへ譲渡し、サノフィの動物用医薬品事業であるメリアルを取得しました。
日本では日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が医療用医薬品ビジネス、ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社が動物用医薬品ビジネス、そしてベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社が医療用医薬品製造を担っており、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が上記3つの事業会社にサービスを提供しています。
イーライリリー・アンド・カンパニーの糖尿病事業について
イーライリリー・アンド・カンパニーは1923年に世界で初めてインスリン製剤を開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしてきました。現在も、糖尿病をもつ人々やケアを行う人々の様々なニーズに応えることで、この伝統を築いています。研究開発や事業提携、拡大し続ける幅広い医薬品ポートフォリオ、そして、医薬品からサポートプログラムをはじめとする実質的なソリューションを提供し続けることを通じて、世界中の糖尿病をもつ人々の生活の改善に努めます。詳細はウェブサイトをご覧ください。
イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー社は、世界中の人々の生活をより良いものにするためにケアと創薬を結び付けるヘルスケアにおける世界的なリーダーです。イーライリリー社は、1世紀以上前に、真のニーズを満たす高品質の医薬品を創造することに全力を尽くした1人の男性によって設立され、今日でもすべての業務においてその使命に忠実であり続けています。世界中で、イーライリリー社の従業員は、それを必要とする人々の人生を変えるような医薬品を開発し届けるため、病気についての理解と管理を向上させるため、そして慈善活動とボランティア活動を通じて地域社会に利益を還元するために働いています。
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。
http://www.boehringer-ingelheim.com
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp
(ベーリンガーインゲルハイムジャパン)
http://www.lilly.com
(イーライリリー・アンド・カンパニー)
http://www.lilly.co.jp
(日本イーライリリー)
References
- Zinman B, et al. Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes. N Engl J Med 2015;373:2117–28.
- Tillin T, Hughes AD, Mayet J, Whincup P, Sattar N, Forouhi NG, et al. The relationship between metabolic risk factors and incident cardiovascular disease in Europeans, South Asians, and African Caribbeans: SABRE (Southall and Brent Revisited): A prospective population-based study. J Am Coll Cardiol 2013; 61: 1777 – 1786.
- Kohei Kaku, MD, etal. Empagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Asian Patients With Type 2 Diabetes and Established Cardiovascular Disease - Results From EMPA-REG OUTCOME® - Circ J 2017; 81(2): 227-34.
- International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas, 7th edition. Brussels, Belgium 2015. Available at: www.diabetesatlas.org/ Last accessed November 2016.
- World Heart Federation. Diabetes as a risk factor for cardiovascular disease. Available at: www.world-heart-federation.org/cardiovascular-health/cardiovascular-disease-risk-factors/diabetes. Last accessed November 2016.
- World Health Organisation. Diabetes: fact sheet no. 312. Available at: www.who.int/mediacentre/factsheets/fs312/en/#. Last accessed November 2016.
- Nwaneri C, et al. Mortality in type 2 diabetes mellitus: magnitude of the evidence from a systematic review and meta-analysis. The British Journal of Diabetes & Vascular Disease 2013;13:192–207.
- Morrish NJ, et al. Mortality and causes of death in the WHO Multinational Study of Vascular Disease in Diabetes. Diabetologia 2001;44(2):S14–21.