ベーリンガーインゲルハイムとDicerna Pharmaceuticals
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの慢性肝疾患に対する新規治療法の開発に向けて提携
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が11月2日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものに加えて日本における啓発活動を追記したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
2017年11月2日 ドイツ/インゲルハイム、米国マサチューセッツ州/ケンブリッジ
ベーリンガーインゲルハイムとDicerna Pharmaceuticals(以下、Dicerma)はこのほど、慢性肝疾患を治療する新規GalXCTM RNAi療法の創薬と開発について研究提携・ライセンス契約を締結しました。Dicernaは、RNA干渉(RNAi)を用いた治療法の開発に注力したバイオ医薬品企業で、この提携では現時点で確立された治療法のない肝疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に焦点をあてます。
NASHの原因は肝臓への脂肪の蓄積であり、症状の進行に伴い肝線維化や肝硬変に至る場合があります。NASHは、肥満の糖尿病患者で特に罹患率が高く、アンメットメディカルニーズが高い分野であります。また、進行性肝疾患の中でも、将来、肝移植が必要になる最大の原因疾患になると考えられています。
DicernaのGalXCテクノロジープラットフォームでは、疾患の原因となる遺伝子発現をメッセンジャーRNAs(mRNAs)の段階で阻害することでその機能発現を抑制します。この新しいアプローチにより、これまでの製剤では到達することが難しかった創薬ターゲットを標的とした治療ができると考えられております。これにより、ベーリンガーインゲルハイムの心血管代謝性疾患領域のパイプラインにさらに画期的な治療法が加わり、将来の併用療法の治療選択肢を広げる可能性が示唆されております。
Dicernaのプレジデント兼最高経営責任者のDouglas M. Fambroughは次のように述べています。「私たちはDicernaのGalXCのテクノロジープラットフォームが非アルコール性脂肪性肝炎などの慢性肝疾患に対する新規RNAi療法の開発に理想的であると確信しています。創薬における高い能力、心血管代謝性疾患領域での豊かな経験、製品化の実績という点において、ベーリンガーインゲルハイムは慢性肝疾患を標的にしたGalXC RNAiプログラムの開発を加速するのに最適なパートナーです。この提携では肝疾患の患者さんとその医療チームに他に類をみない貴重なRNAi療法を提供するDicernaのGalXCテクノロジーの可能性を追及するために両者の高い能力を組み合わせ、GalXCという優れたテクノロジーとその背景にある知的財産権の強みを生かします」
また、ベーリンガーインゲルハイム探索研究部門シニア・コーポレート・バイス・プレジデントClive R. Wood, Ph.D.は次のように述べています。「ベーリンガーインゲルハイムの研究チームは弊社の重点領域であるNASHなどの慢性肝疾患に対する有効な新規治療法の開発に真剣に取り組んでいます。今回の提携はベーリンガーインゲルハイムの既存の研究開発と専門性を補い、新たに有望な治療選択肢を開発する上で明らかに優位になります」
本契約では、ベーリンガーインゲルハイムは、Dicernaに対して、契約一時金や開発の進捗に応じたマイルストンなどを含み、最大で2億ドル以上を支払います。また、上市された場合は販売額に応じたロイヤルティをDicernaに支払います。
Dicerna Pharmaceuticalsについて
Dicerna Pharmaceuticalsは、希少疾患、慢性肝疾患、心血管疾患、ウイルス感染症など、肝臓に関わる疾患に対してRNAiを用いた革新的な治療薬の研究開発を目指したバイオ医薬品企業です。同社が有するGalXCTM RNAiテクノロジープラットフォームを利用して、注力する治療領域において幅広いパイプラインを構築しています。Dicernaは単独または提携する製薬企業と連携して新規治療薬の研究開発および製品化を目指しています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
研究開発主導型の製薬企業ベーリンガーインゲルハイムは、130年以上にわたり、医療用医薬品と動物用医薬品において革新的な医薬品を提供してきました。ベーリンガーインゲルハイムは世界におけるトップ20製薬企業の1つで、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。約50,000人の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品の受託製造の3つの事業分野において、革新的な製品開発を通した価値の創出に日々取り組んでいます。2016年度、ベーリンガーインゲルハイムは159億ユーロ(1兆9,133億円)の売上高を達成しました。30億ユーロを超える研究開発費は売上の19.6%に相当します。
ベーリンガーインゲルハイムにとって社会的責任を負うのは当然のことです。「Making More Health(人々のより良い健康の実現を目指して)」などの社会的なプロジェクトへの関与はそのためです。ベーリンガーインゲルハイムは社員の多様性を促し、社員の様々な経験やスキルの活用を積極的に進めています。また、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて全力を尽くしています。
なお、ベーリンガーインゲルハイムはフランスに本社を置くサノフィ社と戦略的事業交換を行い、2017年1月のクロージングを以て、ベーリンガーインゲルハイムのコンシューマーヘルスケア(CHC)事業をサノフィへ譲渡し、サノフィの動物用医薬品事業であるメリアルを取得しました。
日本では日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が医療用医薬品ビジネス、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社とメリアル・ジャパン株式会社が動物用医薬品ビジネス、そしてベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社が医療用医薬品製造を担っており、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が上記4つの事業会社にサービスを提供しています。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp
(ベーリンガーインゲルハイムジャパン)