神戸大学とのインスリン抵抗性に起因する2型糖尿病及び関連疾患の新規治療薬開発を目指した共同研究について
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
2017年5月30日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「NBI」)はこのほど、国立大学法人神戸大学(以下、「神戸大」)とインスリン抵抗性に起因する2型糖尿病及び関連疾患の新規治療薬の開発を目的とした共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。
インスリン抵抗性は、肥満、ストレス、加齢といった環境因子によって糖代謝に重要なインスリンが効きにくくなる状態で、2型糖尿病やその他の代謝性疾患の発症及び進展の原因となると考えられております。2型糖尿病は、心血管疾患、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害等の、大血管及び細小血管障害による重篤な合併症を引き起こすことが報告されています。またインスリン抵抗性に関連する疾患として知られる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、最終的に肝硬変や肝がんを引き起こすこともある深刻な疾患です。
神戸大医学研究科、糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉教授は、これまで一貫してインスリンの作用機序と糖尿病に関する研究を進めてこられ、多くの重要な知見により糖尿病研究の進展に貢献されています。本共同研究では、小川教授が積み上げた知識や技術と、NBIが有する幅広い創薬研究の経験を活かして、治療の選択肢を拡げるための画期的な新規治療薬の開発を目指します。
小川教授は次のように述べています。「グローバルで研究開発体制を確立している製薬企業のNBIをパートナーとし、糖尿病やその関連疾患の新しい治療法の開発を目指した創薬研究を開始できることを喜ばしく思います。これまで行ってきた一連の研究の成果をベースに、今後も世の中に貢献できる研究を神戸大学から世界に積極的に発信したいと思います」
また、NBI代表取締役会長 トーステン・ポールは「糖尿病を含む代謝性疾患はベーリンガーインゲルハイムが注力している重点疾患領域の一つです。これまで糖尿病研究の進展に力を尽くしてきた神戸大と、このたび共同研究をする機会を得たことを大変嬉しく思うと同時に、将来的に革新的な治療法を多くの患者さんに提供できることを強く望んでいます」と述べています。
研究開発主導型の製薬企業であるベーリンガーインゲルハイムは、アカデミア発創薬を活性化するための新たな研究部門として2015年に、Research Beyond Borders(RBB)を探索研究組織内に設立しました。本共同研究は日本のRBB部門と、神戸大の学術・産業イノベーション創造本部が協同して仲介し、成立しました。
Research Beyond Borders(RBB)について
RBBは、ベーリンガーインゲルハイムの探索研究組織内に新設された、グローバルに活動する研究部門です。RBBでは、新規の科学的な成果や技術の探求を通じて最先端の医療や科学領域、技術をタイムリーに、そして効率的に開拓し、社外のパートナーと積極的なアライアンスを推し進めることにより、ベーリンガーインゲルハイムの重点疾患領域(心血管代謝系疾患、中枢神経系疾患、免疫系及び呼吸器系疾患、腫瘍領域)のみならず、その他のアンメットメディカルニーズの高い疾患領域における医薬品開発のための探索研究活動を支えます。
日本におけるRBBの部門として、2017年1月、NBI神戸医薬研究所内に「創薬研究アライアンス部」を設立し、研究機関やバイオテク企業等とのパートナーシップ構築を目指しています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
研究開発主導型の製薬企業ベーリンガーインゲルハイムは、130年以上にわたり、医療用医薬品と動物用医薬品において革新的な医薬品を提供してきました。ベーリンガーインゲルハイムは世界におけるトップ20製薬企業の1つで、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。約50,000人の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品の受託製造の3つの事業分野において、革新的な製品開発を通した価値の創出に日々取り組んでいます。2016年度、ベーリンガーインゲルハイムは159億ユーロ(1兆9,133億円)の売上高を達成しました。30億ユーロを超える研究開発費は売上の19.6%に相当します。
ベーリンガーインゲルハイムにとって社会的責任を負うのは当然のことです。「Making More Health(人々のより良い健康の実現を目指して)」などの社会的なプロジェクトへの関与はそのためです。ベーリンガーインゲルハイムは社員の多様性を促し、社員の様々な経験やスキルの活用を積極的に進めています。また、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて全力を尽くしています。
なお、ベーリンガーインゲルハイムはフランスに本社を置くサノフィ社と戦略的事業交換を行い、2017年1月のクロージングを以て、ベーリンガーインゲルハイムのコンシューマーヘルスケア(CHC)事業をサノフィへ譲渡し、サノフィの動物用医薬品事業であるメリアルを取得しました。
日本では日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が医療用医薬品ビジネス、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社とメリアル・ジャパン株式会社が動物用医薬品ビジネス、そしてベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社が医療用医薬品製造を担っており、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が上記4つの事業会社にサービスを提供しています。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)