京都大学iPS細胞研究所およびiHeart Japan株式会社との共同研究について
2014年3月5日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下 「NBI」)は、国立大学法人京都大学(以下、「京大」)およびiHeart Japan株式会社(以下、「IHJ」)と三者間の共同研究契約をこのほど締結しましたので、お知らせいたします。
IHJは、京大iPS細胞研究所の山下潤教授の研究成果を応用した、心臓安全性評価用のリサーチツールを実用化しようとしており、NBIはそのリサーチツールを自社の医薬品開発における安全性評価試験に用いることを検討しています。
このリサーチツールは、ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞を主とする心血管系細胞群によりヒトの心臓を模倣し、医薬品候補化合物がヒトに不整脈などの副作用を起こすか否かを評価する製品です。
医薬品開発のプロセスでは、in vitroとin vivoの非 臨床動物試験で心臓機能評価を行い、ヒトでの安全性を確認した化合物について臨床試験に移行しています。しかし、ヒトとの種差に起因した非臨床動物試験で 検出できない有害反応が、ヒトに投与されるようになって初めて発見され、開発中止や販売中止に至るという事態が起きています。
IHJのリサーチツールを用いることで、ヒトに発生しうる心臓有害事象を高い精度で予測できるほか、動物試験や臨床試験の一部を試験管レベルの評価系で代替することもでき、医薬品開発のコストとリスクの大幅な削減につながると期待されます。
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイ ムを本拠とし、世界で140の関連会社と46,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生 かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
ベーリンガーインゲルハイムにとって、社会的責任を果たすことは、企業文化の最も重要な柱のひとつです。 事業を展開する世界の国々において、社会問題に取り組み、社員とその家族を思いやり、全社員に平等な機会を提供することが、 ベーリンガーインゲルハイムの基盤です。そして、尊重と誠実を重んじ、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献することが、ベーリンガーインゲルハイ ムの本質であり使命です。
2012年度は147億ユーロ(約1兆5,086億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の22.5%相当額を研究開発に投資しました。
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般 用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。
日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)