プラザキサ®:脳卒中再発リスクのある患者集団を対象とする新規臨床試験を実施
• 塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)を発症した患者集団の脳卒中再発予防に関する知見を蓄積する目的1,2
• 脳卒中の再発リスクが高い患者の潜在的な治療ニーズを明確化3
• RE-SPECT ESUS™ 試験のデザインが欧州脳卒中会議(European Stroke Conference)で発表3
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が2014年5月7日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記して いる部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
2014年5月7日 ドイツ/インゲルハイム
5 月7日、フランス・ニースで開かれた欧州脳卒中会議(European Stroke Conference)において、約6,000人を対象とする新規のRE-SPECT ESUS™試験の詳細が発表されました。この試験は、塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)を発症した患者集団を対象に、脳卒中再発予防に対する プラザキサ®(ダビガトランエテキシラート)の有効性と安全性を評価します3。ベーリンガーインゲルハイムは脳卒中予防と治療に貢献する企業として、脳卒中リスクを抱える多くの患者へ福音が届くよう、この試験を実施してまいります。
塞栓性脳卒中は、体内で形成された血栓が血流に乗って脳まで運ばれることによって発症しますが4、脳卒中の約4分の1は、特定できない塞栓源に由来する血栓によって生じます2。このような塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)を発症した患者は、脳卒中再発の可能性が高まり1 、脳卒中が再発すると、合併症の発現率や死亡率の上昇など深刻な事態につながるケースも多くみられます5。
残念ながら現在、ESUS発症後に脳卒中の再発を防ぐ治療選択肢は限られており、予防策をめぐる知見の積み重ねが求められています1,2。プラザキサ®は非弁膜性心房細動患者の脳卒中予防について、多くの臨床経験から有効性が証明されており6,7、今後さらに、ESUSを発症した患者の脳卒中再発リスクを減らす可能性が示唆されています2 。
ドイツ・エッセン大学の神経科部長であり、RE-SPECT ESUS™試験の主任治験責任医師であるハンス-クリストフ・ディーナー(Hans-Christoph Diener)教授は、「RE-SPECT ESUS™試験から得られるデータは、現時点で不足しているESUSの知見を高めるものとなり、医師が適切な治療方法の選択するうえで役立ち、患者ケアの 改善につながるでしょう」と述べています。
なお、RE-SPECT ESUS™試験(Randomized Evaluation in Secondary stroke PrEvention Comparing the Thrombin inhibitor dabigatran etexilate versus acetylsalicylic acid (ASA) in Embolic Stroke of Undetermined Source とは、原因不明の塞栓性脳卒中におけるトロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラートとアセチルサリチル酸の脳卒中二次予防効果を比較するランダム化試験) で、ESUSの発症から3~6ヵ月以内で脳卒中再発リスクがあると考えられる世界中の患者約6,000人の登録を見込んでいます。本試験では、脳卒中の二 次予防に使用するプラザキサ®150mgまたは110mg 1日2回の有効性および安全性を、アセチルサリチル酸100mg 1日1回と比較して、最長で3年間に渡って評価する予定です3。
RE-SPECT ESUS™試験は、ベーリンガーインゲルハイムが実施している脳卒中予防および心臓病学向上への取り組みの一部であり、脳卒中予防に用いる新規経口抗凝固剤プラザキサ®は非弁膜性心房細動患者の脳卒中予防に幅広く使用されています8。プラザキサ®の有効性および安全性プロファイルは、RE-VOLUTION®臨床試験プログラムで十分に確認されており、今日までに100ヵ国以上で規制当局の承認を取得しています6,7,9-19。プラザキサ®の臨床経験は世界中で継続して蓄積されつつあり、承認されている全適応症での使用経験は、現在290万患者・年を超えています19。
プラザキサ®(ダビガトランエテキシラート)について
プラザキサ®は、新世代の経口抗凝固剤の中で初めて広範に承認を受けた薬剤であり、急性および慢性の血栓塞栓症の予防と治療における高いアンメット・メディカル・ニーズに対応することができる直接トロンビン阻害剤(DTI)です8,20。直接トロンビン阻害剤は、血栓形成プロセスにおいて中心的な役割を果たす酵素であるトロンビンの活性を特異的に阻害することにより、強力な抗血栓作用を発揮します21 。様々な凝固因子を介して多様な作用を示すビタミンK拮抗薬とは異なり、プラザキサ®は有効かつ予測可能で再現性のある抗凝固作用を示します。 薬物相互作用の可能性は低く、食物との相互作用もありません。 定期的な血液凝固モニタリングや用量調節の必要性もありません20,22。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハ イムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で142の関連会社と47,400人以上の社員が、事 業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製 造、販売に注力してきました。
ベーリンガーインゲルハイムにとって、社会的責任を果たすことは、企業文化の最も重要な柱であり、その中に はグローバル規模のイニシアチブ「Making More Health(人々のより良い健康の実現を目指して)」をはじめとする社会的なプロジェクトへの関与や、社員への思いやりの精神などがあります。
また、お互いに配慮し、平等な機会を提供し、業務やキャリアと家族生活との調和を重んじることは、相互協力の基盤となるものです。また、あらゆる場面で環境保護と持続可能な社会の実現に向けて注力しています。
2013年度は141億ユーロ(約1兆8,282億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、売上の19.5%相当額を研究開発に投資しました。
日 本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般 用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。
日本ベーリンガーインゲルハイムは、循環器、呼吸器、糖尿病、腫瘍、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
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References
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