オーストリア、ウィーンにある分子病理学研究所(IMP)は、産学の橋渡し役を担います。ベーリンガーインゲルハイムは、基礎生物医学研究所であるIMPを全面的にサポートしており、ここ数年でIMPの国際的評価は急速に高まっています。
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IMPは1985年に創設されました。ベーリンガーインゲルハイムは1993年より、同研究所の主要スポンサーとなりました。また、さらなる資金として、国内外の機関より、研究助成金の提供を受けています。世界30カ国、およそ220人の科学者が、ウィーンのバイオセンターにある同研究所で、基礎生物医学研究に従事しています。IMPは、分子生物工学研究所(IMBA)を通して、オーストリア科学アカデミー分子生物学研究所と密な連携を図っています。
知的好奇心に溢れるIMPの科学者は、あらゆる生物の発生と機能に関与する分子プロセスを探ります。当初、がん研究所として知られていたIMPは、今日、主要な3つの分野―細胞の分子生物学、神経生物学、および疾患の機序―に注力しています。その研究成果は、新薬の標的を明らかにし、ベーリンガーインゲルハイムの新薬開発に結び付くと期待されています。
IMPの研究成果は、継続的に多数の科学出版物に掲載されています。創立以来、およそ1,500報の科学論文が発表されました。2007年には、90報を超える論文が権威ある学術誌に掲載されました。特許出願件数は90に達しました。ベーリンガーインゲルハイムはこれらの特許の自由裁量権を有しています。
IMPの科学者は、数々の権威ある賞に輝き、また、重要な国際助成金の付与を受けています。IMPによる最も重要な発見として、Jan MichaelPetersと前所長のKim Nasmythによる細胞分裂分野における多大な貢献、Thomas Jenuweinによるエピジェネティックコードの探索、Erwin Wagnerによる腫瘍遺伝子の同定、およびMeinrad Busslingerによる幹細胞の可逆的分化などがあります。Hartmut Beugらは、腫瘍の形成に至る事象を明らかにしました。そしてIMPの現所長であるBarry Dicksonによる研究は、動物の行動を導く神経機構の解明に貴重な知見をもたらしました。
IMPによる研究は、8人の委員で構成される権威ある諮問委員会によって定期的に評価されます。年に一度、ウィーンで同委員会の会議が開かれます。同委員会は、国際的に著名な科学者とベーリンガーインゲルハイムからの代表者(2名)で構成されます。
次世代を担う科学者の育成はIMPの重要な課題です。15年間で、世界各地の200人の大学院生が、提携研究所・大学と共同で実施される国際博士課程を履修しています。また、IMPはフェローシップを導入することで、欧州で先駆的役割を担っています。同プログラムを通して、優秀な若手研究者は博士号取得直後に研究室を持ち、独自の研究プロジェクトを進めることができます。