
局所進行または再発・転移頭頸部がん患者を対象にアファチニブ*を検討する2つの臨床試験で患者登録を開始
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が1月26日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。尚、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
* アファチニブは開発中の新規化合物です。これらの安全性と有効性はまだ完全には実証されておりません。
2012年1月26日、ドイツ/インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイムは本日、2つの第3相臨床試験、LUX-Head & Neck 1およびLUX-Head & Neck 2を開始した旨、発表しました。この2つの試験ではそれぞれ、再発・転移頭頸部がん患者、局所進行頭頸部がん患者を対象にアファチニブ*を検討します。
アファチニブ*は、ErbBファミリー全てのキナーゼ受容体のシグナル伝達を阻害する不可逆的ErbBファミリー阻害薬です。このErbBファミリーは高転移性のがんおよび死亡率の高いがん(肺がん、乳がん、頭頸部がん)の増殖・転移に重要な役割を担っていることが知られています。上皮成長因子受容体(EGFR、別名:ErbB1)1の過剰発現は、頭頸部がんの90%以上に認められ、予後不良および全生存期間の短縮と強い相関があります2。
第2相臨床試験の結果からは、白金ベースの化学療法後に再発がみられた患者において、アファチニブ*がセツキシマブと同等以上の抗腫瘍活性を持つ初の標的薬であることが示されています3。
毎年、世界中で約56万人が頭頸部がんと診断され、年間30万人が死亡しています4。
再発・転移頭頸部がん患者の治療選択肢には、全身化学療法があります。この患者集団への化学療法導入は30年ほど前から開始されましたが、再発・転移頭頸部がん患者はいまだに予後不良であり、平均生存期間はわずか6~10カ月です5。局所進行頭頸部がんでは、化学放射線療法が重要な治療選択肢となっています。しかし、再発率が高いため、局所進行頭頸部がん患者も予後不良の傾向があります。
シカゴ大学メディカルセンター内科学准教授のエズラ・コーエン医師は次のように述べています。「現在、局所進行頭頸部がん患者の約50%が再発を来すため、さらなる治療選択肢が緊急に必要とされています。私たちは、アファチニブ*などの新規治療薬候補が頭頸部がん患者の新たな治療選択肢となることを望んでいます」。
LUX-Head & Neck 1では、白金ベースの治療後に進行がみられた再発・転移頭頸部がん患者を対象に、アファチニブ*が無増悪生存期間(主要評価項目)を延長することができるか、また全生存期間を改善することができるかなどを検討します。
LUX-Head & Neck 2では、化学放射線療法後の局所進行頭頸部がん患者を対象に、アファチニブ*が疾患再発を防ぐことができるか、また全生存期間を改善することができるかなどを検討します。
この日本からも参画する2つの第3相臨床試験の開始は、様々ながん種における腫瘍領域パイプラインの拡大とさらなる発展に取り組むベーリンガーインゲルハイムにとって、重要かつ新たな一歩を踏み出すこととなります。
参考資料
1200.43 (LUX – Head & Neck 1)臨床試験および1200.131 (LUX –Head & Neck 2) 臨床試験について
LUX-Head & Neck 1 (1200.43)
LUX-Head & Neck 2 (1200.131)
頭頸部がんについて
頭頸部がんとは、口腔、喉頭、咽頭、鼻咽頭を含む上気道消化管(UADT)から生じる悪性腫瘍の総称です。頭頸部がんのほとんど(90%)は、頭頸部の上皮膜(粘液内層)から生じる扁平上皮がん(HNSCC)であるため6、病因および分類に関する特徴に多くの共通点があります。また、腫瘍増殖に重要な役割を果たす上皮成長因子受容体(EGFR/ErbB1)は7、頭頸部がんの90%以上に発現しています2。
白金ベースの化学療法(ほとんどの場合シスプラチンを使用)-決定的治療として、または術後に投与-と放射線療法の併用療法は、局所進行頭頸部および/または手術不可能な頭頸部がんの管理に使用されます。これは、「化学放射線療法」として知られています。しかし、化学放射線療法には、重い副作用および毒性が伴います。また、再発率が高いため、局所進行頭頸部がんには予後不良の傾向があります8。
ベーリンガーハイムの腫瘍領域について
ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器系疾患、循環器系疾患、代謝系疾患、中枢神経系疾患、ウイルス性疾患、免疫系疾患の分野での卓越した科学的知識を基盤に、革新的な抗がん剤を開発するため大規模な研究プログラムに着手しました。国際的な科学団体や世界的に権威ある多数のがん研究所と密接に連携しながら、ベーリンガーインゲルハイムは新規抗がん剤の研究・開発に取り組んでいます。科学の進歩に支えられたこの取り組みでは、各種の固形がんや血液がんの様々な標的薬を開発しようとしています。
ベーリンガーインゲルハイムの腫瘍領域パイプラインは進展を遂げている最中であり、このパイプラインには、腫瘍領域に対するベーリンガーインゲルハイムの継続的なコミットメントが示されています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と42,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
2010年度は126億ユーロ(約1兆4,658億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約24%相当額を研究開発に投資しました。
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約3,000人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。
日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。
詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
Refereces: